タイで頻発する日本人同士の金銭問題

タイでは南国気質が人間の本質をも変えてしまうのか、借金をして踏み倒す日本人が非常に多いようです。

当事務所も設立以来、数えきれないほどの日本人同士の債権回収に携わって参りました。

日本人とタイ人の契約が、文化や考え方の違いから不良債権化するというのは仕方のないことです。

しかし、常識が同じ島国の日本人同士で貸し借りの約束が果たせないのは、日本人として悲しくてなりません。

もちろん、やんごとない事情がある方もいらっしゃいますが、その多くが最低限の連絡をするなど義務を果たしていない債務者がほとんどです。

では、日本人同士の金銭消費貸借契約はどのように結ぶべきでしょうか。

実は、お金の貸し借りが発生するその現場に本職の人間を同席させるべきなのです

当事務所は契約書を作成して目の前でサインしてもらい、第三者として証人になります。

また、契約書を日本語とタイ語で作成することでいざという時にはタイでの裁判も簡単に起こすことができます。

また日本語の契約書は日本で裁判を起こす際にも使用できます。

つまり、債務を完済させるにはタイに留まっても帰国しても追いかけられるという、心理的な圧力がどうしても必要なのです。

債務は基本的には債権者の督促がないうちに債務者自身の意思で完済するべきものです。

しかし一旦債務不履行になれば故意過失に関係なく債権回収に着手すべきです。

なぜなら、一旦そのような状態に慣れてしまった債務者が考えを改めて返済することは皆無に等しいからです。

債権発生時の契約書の作成は回収時のことを考えて作成せねばなりませんし、借りる方はそのような内容であることを理解した上で債務を負うべきです。

しかし、金銭のやり取りの際にはそこまでしないのが日本人の文化であり、後に問題になる原因でもあることを理解しなければなりません。

当事務所は、債権の状態によっては着手金なしで回収をお受けすることも可能です。

どのような債権回収でもまずは一度お問い合わせください。

 

 

タイでの債権回収の手順

当事務所はタイでの債権回収を得意としておりますが、その具体的な手順について多く問い合わせがあります。

企業秘密でもなんでもないので公表しますが、 その具体的な方法は、捜索交渉交渉交渉→裁判です。

債権回収といえばまず裁判が思い浮かぶかもしれませんが、外国であるタイで訴訟を起こすのは日本よりも手間とお金がかかります。

そこで当事務所では裁判を先に見据えつつも、基本的には交渉で回収を目指します。

しかし、裁判と同じく当事務所は第三者の立場になりますので、双方の事情をうかがった上で和解のような形になります。

他業者様の中には債権者側のみの事情で高圧的に債権回収を進めるところもあるようですが、当職は「日本人法律家」として誇りがありますから、できる限り多くの証拠を集めて双方から事情を伺います。

つまり、債権者の主張する金額が100万Bでも債務者が否認していれば、全額回収出来ないこともありえます。

また、「契約書等」がしっかりあり、その他の証拠がしっかり揃っていても債務を認めない債務者もおります。

そのような場合は交渉してもほとんど無駄ですので、裁判など他の方法に頼らざるを得ません。

もちろんこちらの方向でも当事務所は慣れておりますからご安心ください。

しかし、交渉で折り合いがつくのが最も迅速で費用がかからず、楽なのは言うまでもありません。

弁護士やその他の機関に頼れば頼るほど、どうしても何十万Bといったお金が必要になりますし比較的時間もかかります。

当事務所は回収について成功報酬のみで動ける場合もありますし、「債務者」の捜索から依頼される場合でも捜索費用は回収時の成功報酬から差し引きますので無駄になりません。

{例}

「債権額100万B、債務者が音信不通、債権回収成功報酬2割でご契約」

1、債務者を捜索、着手金2万B

→もし発見できない場合はこれ以上の金額はかかりません。

2、発見時に情報と交換に成功報酬2万B

→交渉をご自分でされる場合は2万B+2万Bの合計4万Bのみです。

3、債権回収成功2割20万B-上記合計4万B=16万Bを差し引いてお渡し

当事務所に捜索回収をご依頼いただいて回収成功した場合は、全費用が上記のように回収報酬2割20万Bの中に含まれます。

つまり債権が回収できた場合の捜索費用は実質無料になります。

捜索発見だけご依頼いただく場合は、上記例ですと4万Bしかかかりません。

これだけでもバンコクに拠点を置く全ての探偵事務所より遥かに安いです。

当事務所はタイ語と人脈を駆使することで一般的な日系企業の3分の1以下でサービスを提供しています。

未回収債権でお悩みの方はまずお問合せからご相談ください。

きっとお役に立てると思います。

 

上記費用はあくまで一例であり難易度や時期等に応じて変動いたします。

また年末年始、ソンクラーン等の大型休暇、事件の多い時期に限っては少々お待たせすることもありますのでご了承くださいね。

当事務所はメールでの相談は何通でも無料です。

また、M&Aや撤退時に債権債務が発生しそうな場合は予め備えておくと出費を抑えられます。

「債務者」から取り立てるのも大事ですが、知らずに「債務者」になってしまうことを事前に防衛するのも法務の大切な考え方です。

詳しくはこちらを参考にしてください。

タイと日本を隔てるフランチャイズ契約

昨今タイではあらゆる業種のフランチャイズが急増しており、それに伴って未回収債権のお問い合わせが増えております。

タイ国内で契約したフランチャイズ契約はともかく、タイと日本でのフランチャイズ契約はそもそも全額が支払われることの方が珍しいです。

当事務所に債権回収を依頼されたフランチャイズ契約の一例をご紹介します。

日本にある美容機器メーカーがタイにある日系美容室とエステ店のフランチャイズ契約を締結しました。

エステ機器を扱うにはそれなりの技術研修を親会社から受ける必要があり、エステ機器は継続的に消耗部品を必要とします。

それらを親会社から独占的に提供を受けることができる契約です。

しかし、一旦子会社のスタッフが技術を習得し、消耗品をタイ国内や中国製の安価な製品で賄うことができるならばどうでしょう。

親会社に対して負っている数千万円の高額な負債を支払うモチベーションはいつまで続くでしょうか。

そもそもフランチャイズ契約とは親会社独自の商品やノウハウの提供を受けて利益を上げる代わりにロイヤリティを支払うという契約です。

例えばセブンイレブンで考えていただければ理解しやすいですが、セブンにファミマの印が入った商品は置けず、また商品開発などは親会社が行ってくれる、商品は注文すればすぐ届く、といった具合です。

このように商品の代替が効かないフランチャイズ契約はお互いに意味があって拘束力が強いですが、代替品入手の有無が一方の良心にのみ委ねられている場合は遅かれ早かれ未払いの問題になります。

この件は当事務所にご依頼いただいた時点で半分手遅れのようなものでしたが、タイ国内にいる経営者を探して交渉し、残金の8割の支払いを受けることができました。

国をまたぐフランチャイズ契約は代金一括払いが基本です。

高額で一括が難しい場合は契約書をしっかりと吟味しなければなりません。

当事務所にお任せいただければ契約書の作成から行いますが、それでも未回収債権が出た場合は遠慮なくお申し付けください。

無料相談はこちら

 

 

 

 

一方的な債権回収の危険性について

当事務所は債権者様からのご依頼によっては債務者の居場所を調査するところから始めます。

これは一般的には債務者は逃げていることが多いからでありますが、このような場合に債権者様は一方的に債務者を悪く言いがちです。

しかし、当事務所がこれまで経験してきた事例では、債権者様側の言い分がどうもおかしかったり、違法な契約を故意に結んで履行を強制させたがる場合も少なくありませんでした。

我々のような専門家が介入することで債務者に履行を促そうというのでしょう。

しかし当事務所は事実関係を確認するところから始めますから、場合によっては債権回収をお断りすることも多々ございます。

つまり、不法の片棒は担げないということです。

少し前に頂いた事例を紹介します。

 

あるレンタルオフィス会社が、タイに来て間もない高齢の年金生活者と2年契約であることを「積極的に黙って」契約を交わし、英文の契約を交付しました。

金額も相当な高額で月々約20万円を超えるものです。

もちろん2か月のデポジット、入会金、初月の家賃、火災保険、設備費などで最初に100万円ほどを支払っています。

ここはタイですから英文の契約書それ自体は問題ありません。

しかし、日本人同士で契約することも多いわけですから、日本語の契約書があってもよいはずです。

少なくとも日本語訳をつけるとか、口頭でしっかり全文説明するなどの方法をとるべきでした。

しかし、この会社は高齢のお客さんがなんでも言われた通りにサインするのをよいことに説明を省いて契約を済ませました。

このような対応全般に不信感を抱いていた高齢債務者が、3か月のオフィス使用後に解約を申し出たところ、残り21か月分の契約料金500万円を支払えといわれたそうです。

この時、私どもに依頼があったのは債権者であるレンタルオフィスの方です。

しかし、契約書の文面、また担当者のメールの雰囲気からまともな会社ではないと判断いたしましたので、まず債務者にも事情を聞いてから債権回収に入ります、とお返事をした上で債務者の捜索に当たりました。

無事に居場所を突き止めて債務者から事情を聞きますと、やはり契約の段階から詐欺的な手法を使われていたこと、詐欺罪で警察が受理したから口座を凍結する、嫌なら迷惑料を添えて返金しろ等、脅迫のようなメールがかなりの頻度で届いておりました。

一般的に債権回収とは債権者様の言い分のみで動き始めるものです。

しかし、債務者の事情を聞いてみると真実が見えてお手伝いできない場合も多々あります。

近年は行政書士がそれと知らずに偽装結婚の従犯になってしまったり、あくどい会社の手先になって高圧的な債権回収をするような事案をよく耳にします。

当事務所は債権回収会社ですから本質的には債権者様の味方です。

しかしそれは適法な契約を債務者が履行しない場合に限ってのことです。

タイに住んでいる日本人の中には、日本とタイで距離が離れていることをいいことに債務を履行せず連絡も取らない債務者がたくさんいます。

そのような債務者には容赦しませんので、無料相談からご連絡ください。

解約月(契約最終月)の直近の支払い数回分が無いケース

このケースもタイで非常によくあるケースです。
月極めの契約でなくとも、分割払いの契約であれば応用される可能性があるので単発のプロジェクトのビジネスをしている人達も他人事とは思わず注意して欲しいと思います。

支払い回避テクニックとしては非常に単純ですが、大きく分けて2種類に分かれます。

1.月極め契約の解約最終月の支払いが無いケース
このケースは解約が決まってから後の支払いが一切無くなるケースと、何ヶ月か未払いが故意に行われた後、最終的に解約を狙ってくるケースの2種類があります。我々としてもなにかしらの回避手段を助言したいのですが、基本的には「完全先払いにする」もしくは「デポジットを予め支払わせておく」以外に回避方法はありません。

2.支払いが複数回に分かれている契約の初回支払以降の複数の支払いが無いケース
こちらは内装工事や、マイルストーン型のシステム開発プロジェクト等で多発しています。手付金ともとれる初回支払以降一切の支払いが無いケースや、最後の支払いだけが無いケースがあります。また、本来、タイの文化において100%前払いが一般的な契約であるプロダクトに対して「タイでは前金50%、その後サービス利用後に50%支払うという形が一般的である」という嘘の提案に騙されて(または信用して)分割払いでのサービス提供を行い、サービス提供後の支払いが行われないという相談が多くあります。

悲しいことですが、こういったケースは債権者の担当者もグルになっている場合が多く、タイのことをよく知らない日本人マネージャーが、担当者のタイ人に「タイではこのような文化になっているのか?」と確認すると「そういうケースもあります」という回答があり、泥沼にはまっていくケースばかりです。

このケースは「支払いが無い」というよりは、最初から払うつもりがないため、厳密には「詐欺」に近いものです。そのため、契約をしてしまった後に防衛策はなく、騙されないこと、自社スタッフを信頼しすぎないことが回避方法となります。そして、このようなことを行う債務者は何度も同じ詐欺行為を様々な企業に対して行っていることもありますので、同業者への確認が回避方法となることもあります。ターゲットになりやすいのは「日系企業」で「タイに進出して間もない企業」で「売上を欲しがっている企業」というケースが多く見られます。大きな額のオーダーを武器に、分割払いをお願いしてきて、最終的にはほとんど回収できないという相談が多く、後から考えると「やはりおかしい額のオーダーだが、売上に目がくらんでしまった」という事もよく聞きます。

払ったり払わなかったりを繰り返し、一部の債権の支払いを逃れようとするケース

タイでよくある未払いのケースのひとつを紹介します。

債務者一社に対して複数の案件がある場合や、継続的(毎月)支払い義務が発生するようなケースにおいて、債務者が支払いをしたり、しなかったりを故意に繰り返すことにより、結果的に一部の債権を有耶無耶にして支払いを行わないケースがタイでは非常に多く見られます。

「故意」と言う言葉をつかいましたが、実際には「故意」であるのか「過失」であるのかは分かりませんが、債権者側から督促を行なっても未回収がクリアにならないようなケースはほぼ故意であると考えて間違いないと我々は見ています。もし、過失であった場合は、債権者側でデータを整理して説明をすればすぐに支払いがあるのが一般的です。

また、債務者側のタイ人担当者の能力が本当に足りておらず、ミス、つまり過失から未払いになっているかのように見える(見せている)ケースもありますが、もし本当に担当者の能力に問題がある場合は他でも必ず問題を起こしていますし、会社のお金を扱うような重要な部署にずっと勤務できるわけがなく、長くとも半年以内に退職していきます。したがって、その担当者がそれなりに長期間勤続しているのであれば、それは支払いをしないための「演技」だと考えて問題ないでしょう。

【事例】
A社(債権者)はフリーペーパーを発行しており、B社(債務者)がそのフリーペーパーに公告を出稿しています。
契約期間は1年間で、支払いは毎月10000Bです。
※分かりやすくするために消費税や源泉徴収については省略しています。

6月から出稿開始で、6月1日に6月分の請求書が発行され、初回支払期日は6月末となっています。
しかし、6月末になっても支払いのないまま、7月1日に7月分の請求書が発行され、第2回支払期日は7月末となります。
そして、7月末にも支払いがないため8月1日3回目の請求書発行と同時に、「今までの2回分の支払いが無い」ことを連絡すると、8月5日に支払いが行われましたが、支払額は10000Bです。
その後、8月末にも「10000Bのみ」の支払いが行われますが、この時点で6月分(第1回)の支払い分が無いままです。

そして、未払いが残っていることを電話で伝えると「払った」との回答があります。その支払いは他の分であり、初回分がないことを伝えても埒が明きません。
面倒ですがA社で今までの支払状況をまとめた資料を作成し、支払いが抜けていることを伝えると、渋々支払いに応じ、やっと未回収がなくなったかと思うのもつかの間、その月末の支払いが無い、というようなことを繰り返すようなケースです。

あまりにフォローに時間がかかりすぎる場合は、早目に契約解除も考えたほうがいいケースもあるかもしれませんが、基本的にはこういった債務者は、契約が継続する限りにおいては、こちらからフォローを続けていくと回収が可能です。

しかし、このテクニックを使う債務者は、更にもうひとつ払わないテクニックを持っていますのでそれにも合わせて注意する必要があります。

それは、契約解除前数ヶ月の支払いを行わないというテクニックです。
ほぼ100%と言っていいほど、この払ったり、払わなかったりの最後には契約解除前の支払いを行わないおまけが付きますので予め心の準備をしておいたほうがいいです。
しかし、心の準備をいくらしていても、回避方法がないのが悔しいところではあります。

詳細は以下の記事もお読みください。
解約月(契約最終月)の直近の支払い数回分が無いケース

債権者側営業担当者による債権回収妨害

タイで債権回収代行を行っていると、債権者(依頼者)側企業の営業担当者による債権回収妨害に直面することがよくあります。本来、自社の債権回収のために我々に協力するべき営業担当が、自社の債権回収の妨害行為を積極的に、または消極的(に見えるように)妨害を行ってくるということです。
基本的にはなにかひとつの原因が妨害行為を誘発しているというよりは、様々な原因がからまりあったうえで、妨害行為として発現していることが多いのですが、よくある原因をまとめると大きく以下のパターンにわけられると考えます。

1.営業のKPIが「売上」のみに依存しており、「回収額」は評価対象となっていない
条件として必ずセットとなるものに「契約継続中」であることがあげられます。また、多くの場合セットとなる条件は「回収は違う部署で行う」ことがあげられます。
社内的に評価対象となるものが「売上」のみで、実際の回収額、回収率は一切考慮されていない場合、契約継続中の案件はたとえそれが赤字を生み出していたり、製品やサービスの無償提供になっていたとしても営業にとっては「良い評価」となります。そして、その「良い評価」でコミッション、またはボーナス額の変動があります。
このようなケースにおいて、我々が「製品やサービスの提供停止」を武器に戦うことになることも当然あります。つまり我々が債権回収について回収を行うと契約が終了になることがありますので、それを避けるために「連絡先を含む情報を渡さない」「我々からの質問に回答しない」などの債権回収妨害行為を行うことがよくあります。
このケースにおいては、将来的な再発を防ぐためにはKPIの変更が必要となります。

2.営業がなんらかの不正行為を行っている
例えば、貴社の社内の方針として「未払いがあっても裁判はしない」というものがあったとします。それを知っている営業が「代金は10%個人に支払ってくれればそれでいい」というように相手方と話をつけているというケースがあります。この場合においても営業はなんとかして我々から債務者へと連絡させないように妨害行為を行います。また、このケースにおいてよく見られるのは「強引に進めるとすぐに退職して逃げる」というものです。
また、このケースはある意味では「未回収債権は存在しない」とも考えられますし、当該社員への処罰、再発生防止のためのルールの策定なども必要となります。

3.単純に仕事が増えるのが嫌
上記1、2のケースにおいては妨害はどちらかというと積極的なものになりますが、3はただ単純に自分の仕事が増えるのが嫌なので協力しない、というケースです。電話は何回かに一回出ますし、メールはたまに返信がありますが、依頼事項は何も進みません。
ただし、タイにおいては日本以上に職務内容が限定的であることが一般的で、実際に「契約上手伝う義務はない」ということもあります。このケースにおいては我々からの依頼は無視されるとしても、貴社内の権力者からプッシュすればすぐに動く場合が多いです。

一般的に、タイ人は日本人以上に権力者に弱い、相手を見て態度を変えるという特質があります。
上司やオーナーからの指示にはすぐ対応するものの、我々のような外部の人間は気持ちいいぐらい無視するようなスタッフも多いです。
このコラムにおいて「タイ人はこうだからダメだ」ということは言及しませんが、回収を成功させるために、依頼者側の協力が必要であるということはよく理解しておいていただきたいと思います。

タイと日本の経理のモチベーションの違い

「タイ企業の経理スタッフは『支払わないこと』が褒められる」という話をよく耳にします。
タイ企業によっては「支払い延期の目標日数」があるというような話もよく耳にします。
例えば、「なんとかして支払期日から更に90日以上払わないように頑張れ」というような社内的な指示がある、ということです。

日本では経理が本来支払われるべき支払いをしていないと間違いなく叱責の対象になると思いますが、タイではそれが逆だということになります。
タイにおいては、支払いを延ばせば延ばすほど社内的に評価されるような文化が醸成されているということになります。

この話を初めて聞いた日本人が最初に疑問に思うのは次の内容だと思います。

「そんなことをして相手と関係が悪くならないか?」

もちろん、関係は悪くなります。しかし、関係が悪くなれば他の企業から購入すればいいし、他の企業から購入することに決めた後の支払いもしないでおこう、と考えたりする人達が非常に多いです。
購入に至るまでに、様々な業者と交渉してやっといい業者を見つけた経緯があることは全く意に介さない様子なのはどうしてだろうかと思います。
信頼できる相手と末永くビジネスを行っていく、という考え方自体が日本的なのかも知れません。
いずれにせよ、それでも払わないのが一部のタイ企業です。

日本においても、支払い条件の交渉は一般的なトピックスです。支払期日が先延ばしになればなるほど、購入者としてはお得です。
購入者としては30日後の支払いを60日にしたいですし、販売者はなるべく即金でもらえればそれに越したことはありません。
しかし、いくら激しい交渉をしたとしても、日本においては「30日後に支払い」ということに双方が納得して契約を行えば、ほぼ間違いなくその支払いは行われます。

ところが、タイでは全くそのようにはいきません。
60日後の支払いで、と強く交渉されそれをなんとか30日でということで契約を取り付けることができ、先に製品やサービスを納入し、30日後に当たり前のように支払いがありません。こんなことならそもそも最初の交渉はなんだったんだという気持ちになることも多いです。

日本の経理は「ミス無く支払いを行う」つまり「いかにしっかりと支払うか」を目標(日本の場合、目標というよりもそれはできて当たり前とされていますね)としていることと比較して、タイの経理は「いかに支払わないか」を目標としていますので、その点をよく理解した上で債権回収を行うことが大事です。
どのようにすれば支払ってもらえるのかということはまたの機会に説明させていただきたいとして、まずは、そもそもタイにおいては経理の目標、モチベーション、考え方が違うのだということを理解してもらえれば幸いです。